SaitoTsuyoshi

エル・スールのSaitoTsuyoshiのレビュー・感想・評価

エル・スール(1982年製作の映画)
4.7
観れば観るほどエリセの映画でスクリーンに映し出される景色、表情、音、明暗、そして沈黙や静寂の間が愛おしすぎる。「ミツバチのささやき」から少しだけ現代に近づいた分、何かが損なわれるような気がしたけどそれは杞憂に終わった。永遠に繰り返し観続けることができ、そのときの心情や面持ちでいくらでも変容してしまう映画。
この歳になって確信めいてきたが、もう、後悔するような人生の瞬間があったっていいのかもしれない。悲しい別れがあっても仕方がない。
映画のように、アートのように、選択肢と想像力だけは多く持っていたいと思う。