敗北者である父と、父を尊敬してやまない娘
親子愛でもなく、友情でもなく、恋人同士に生まれる何かでもなく(もしかしたらこれが一番近いかもしれない)、奇妙で危うい関係。
成長に伴う距離の離れ方がリアル…
1957年、秋の朝。
主人公である15歳の女の子、エストレリャが朝の目覚めに
父が帰って来ないと悟り、振り子を手に一粒の涙するところから物語が始まる。
この映画はエストレリャと父アグスティンの幼少…
落書きの青年は姿すら描かれず、イレーネラオスも手紙のみの出演で、親子お互いの外的世界との関わり(特に思ったことを言えるかどうかの話)を際立たせ、見えやすくするために徹底的な削ぎ落としが行われる。
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それまで娘エストレリャが知らなかった父親アグスティンの実像が次第に見えてくるミステリアスなテンションが良い味わいだった。研ぎ澄まされていく娘の感受性と作られていく大人の男性観。娘の初整体拝受の儀式…
>>続きを読む《忘れ難いノスタルジーに潜む違和感》
10年に一本単位の映画作家ビクトルエリセが今年30年の時を経て新作がやってきた。まさにミニシアターへハレー彗星が近づいているこのムードにあやかって過去のエリセ…
『ミツバチのささやき』と『エル・スール』を2本続けて鑑賞。
個人的には、『エル・スール』の方が楽しめた。
父の振り子を使った井戸探しはどういう仕組みなのだろう。霊的な能力者なのか、インチキなのか。
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父子の関係.語れたことと言えなかったこと、繊細すぎるタッチで綴られる動く絵画。
ビクトル・エリセ監督作品。最新作公開記念で"ビクトルエリセ特別上映"としてリバイバルしてたので見に行ってみた。
まずオ…
少女の主人公が、父親に妻ではない想い人がいると知り、そのことを父に告げると父が自殺してしまう物語。
浮気を子供の視点から見せるのはハラハラして面白かった。でも、終始暗い。
あと父親の心がとても弱…
エリセは本当に光と影の魔術師だと思う。どうやったらあんな画が生み出せるのか。ずっと美しくて目を離したくなかった。
かつての故郷だった南。辿り着けなかった場所と決して知ることのできなかった父の思い。振…
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