これぞ狂気のブラックコメディ。
オーストリアから「ヒトラー以来の有名人になる」と飛び出したゲイ青年のフェイクドキュメンタリー。
以下、全て実際に、行ったこと。
・ミラノのファッションショーで全身マジックテープの服を着て会場を混乱させる。
・イスラエルとパレスチナの政治家や教授の間に入って、歌を歌う。
・アフリカでiPodと交換条件で子どもを買う。
・アラバマでハンターたちに同行し、寝込みを襲う。
フィクションだと思っていたら、どうも反応が生々しく、調べたら全て実際に行われたことだった。
よくこれだけの撮影をして、殺されなかったと思う。
(何度か逮捕されそうになったらしいが)
中東問題、フェミニズム、黒人問題、ゲイ、希少動物への乱獲、あらゆる方面にケンカを売っている。
人類が直面している様々な問題がコントに見えるほどに、バカバカしく思える。
だが、黒人ネタに笑える自分がいるとすれば、自分の中に差別的な感情があるということであり、薄氷の下には大いなるマグマが広がっていた。