喜連川風連

ブルーノの喜連川風連のレビュー・感想・評価

ブルーノ(2009年製作の映画)
3.0
これぞ狂気のブラックコメディ。

オーストリアから「ヒトラー以来の有名人になる」と飛び出したゲイ青年のフェイクドキュメンタリー。

以下、全て実際に、行ったこと。

・ミラノのファッションショーで全身マジックテープの服を着て会場を混乱させる。
・イスラエルとパレスチナの政治家や教授の間に入って、歌を歌う。
・アフリカでiPodと交換条件で子どもを買う。
・アラバマでハンターたちに同行し、寝込みを襲う。

フィクションだと思っていたら、どうも反応が生々しく、調べたら全て実際に行われたことだった。

よくこれだけの撮影をして、殺されなかったと思う。
(何度か逮捕されそうになったらしいが)

中東問題、フェミニズム、黒人問題、ゲイ、希少動物への乱獲、あらゆる方面にケンカを売っている。

人類が直面している様々な問題がコントに見えるほどに、バカバカしく思える。

だが、黒人ネタに笑える自分がいるとすれば、自分の中に差別的な感情があるということであり、薄氷の下には大いなるマグマが広がっていた。
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