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漫才ギャングのmatchypotterのレビュー・感想・評価

漫才ギャング(2010年製作の映画)
3.7
品川監督作品。
初めて観たけど思いのほか面白い。

吉本興行の映画にかける本気を見た気がする。
品川というより、吉本の底力。

うだつが上がらずにコンビ解散して自暴自棄になるボケと、その流れでたまたま留置所で出会ったチンピラのツッコミ。
この2人の化学変化を楽しむ映画。

最初の留置所のやりとりがとても良かった。
この2人は芸人ではなく、役者側なのに、ものすごく自然な漫才になってて自然に笑えた。
相当練習したに違いない。

にしても、サブキャラの濃さ。宮川大輔、綾部、秋山、大悟。
特に秋山の存在感。もう“いつもの秋山”が炸裂しまくってる。腹痛い。ドム3体への執念、ハンパねぇ。マスターグレードに対する執念。
千鳥大悟、ここではガチの喧嘩強いチンピラが板についてる。

ちょこちょこシーンに散りばめられてる笑いが本格的なプロの笑い。
掛け合いの間とか、話の流れに常に漫才の風格。
やたらとおしるこにこだわる件。「忘れた頃の“おしるこ”」。まさに、漫才。
いつまで“ゲロ”、引っ張んのよ。ウケる。

とはいえ、ただ笑いを誘うだけではなく、人との出会いで生まれる友情とか、気持ちの変化とか。

そこをしっかり品川と芸人達が作り出してる。
そこに、上地雄介が破天荒で真っ直ぐな切れ味。
金子ノブアキ、成宮寛貴の友情出演のインパクトが友情出演になってない。

そして、石原さとみの可愛さ、これはヤバい。
この献身性はなんなのか。売れない芸人に全幅の信頼をして、別れても一切気持ちを別れさせない気持ちの強い女性。
こんな彼女がいたらもう他に欲しいものはない。
絵に描いたような女性が過ぎる。逆に、過ぎる。

プロの役者とプロの芸人がプロの笑いの映画を作り切った。
役者側も遜色ない漫才、掛け合いをし、芸人側も個性を生かした演技をする。

なかなか綱渡りな映画だけど、オーソドックスにストレートに突っ走る感じ。
笑いあり、ドラマありで楽しめた。
普通にネタもわかりやすくて面白かった。
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