Blackyamach

天国の駅 HEAVEN STATIONのBlackyamachのネタバレレビュー・内容・結末

天国の駅 HEAVEN STATION(1984年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ターボの西田敏行が素晴らしかった。

西田敏行(ターボ)が吉永小百合(なつ)への純真な想いから事を成就してしまう。それを計算してやらせる瀬川雅彦のあざとさ。結婚の行列を少し離れたところから見つめるターボのなんともいえない眼差し。そして、よろこびの声をあげて坂を転げていくのが切ない。

瀬川は自分の領分をわきまえる謙虚な部分を見せてなつに近づくが悪い頭を働かせてかよを分捕った。それでもかよを綺麗なおもちゃなんてことを平気で言う。

なつが瀬川を刺して逃げているとき、ターボに『ここに来て私を抱いて』といってふたりで抱き合う。この時ただの純真な男女になった。坂で転がり二人で笑顔になっている。なつにとってこの時が一番幸せな瞬間だったはず。
そして雪山から見る虹。それが天国に向かうアーチに見えるわけだが、二人一緒に、とはならなかった。

そして駅へ。そこで二人は警察にとらえられてしまった。窓口で切符は発券されていた天国行きの切符は使われることはなかった。

どうして二人も夫を殺したのか?の問いに愛が欲しかったんだと思うと答えるなつ。それに対して橋本は愛などセックスの味の素だと一蹴。

男女の心が最後まで相容れない様を写してきた作品。結局なつは一人で天国に行くしかなかった。重罪とはいえ、重い結果だった。
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