このレビューはネタバレを含みます
戦後まだ日の浅い頃の木下恵介監督作。
歌声パブで歌われた様な、ロシア民謡風の音楽が印象的。黒牛が牝牛に恋をするが、言い出せなくて…
以下は物語。
舞台は軽井沢の牧場。
白い踊り子衣装に包まれた赤ん坊がいる。近くで身投げがあり、残されたのだ。
数年後、成長した娘・美子が、大陸から帰還した牧場の一人息子ジンゴを迎える美子。
家には母一人。3人暮らしで、ジンゴは美子の兄だが、母はジンゴに美子を嫁にもらう様に薦める。近所の少年が亡くなった爺さんが、ジンゴと美子はお似合いと言っていたと、吹聴されていて、ジンゴもそのつもりだ。ジンゴは彼女の母の命日に話をしようと決める。
しかし、村祭りの帰り道、美子がジンゴに話があると言う。俺も話しがあると言うジンゴだが逡巡したる間に、美子に好きな男がいるから逢って欲しいと先に言われてしまう。相手は役場勤務の野田で、戦争でビッコだった。
帰宅して母と話し合うジンゴは、美子の幸せが優先なので諦めると伝える。美子が家に婚約者の野田を連れてくる。ビッコの野田は、戦場でビッコになった事を悔やまず恨まず、そんな野田の言葉に、兄ジンゴは清々しさを感じ決意を固めるのだった-------