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マリアの受難のやのレビュー・感想・評価

マリアの受難(1993年製作の映画)
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小言の多い半身不随の父、自分よりずっと歳上で亭主関白な夫、ローン無しの持ち家。主人公のマリアはいつも6時15分のアラームで目を覚ます。
コーヒーを淹れテーブルの上に新聞を用意し、夫が毎朝玄関に置いていくお小遣いのみで日々やり繰りする。単調で窮屈な毎日の中に押し込められて、これまで男たちの言いなりとなって流されるまま生きてきた彼女だったが、ある男との出会いをきっかけにこれまでの"受難"から解放される時、そこで繰り広げられる救済は狂気のかたちをしていた。 凄く印象的で、個人的にはかなり好きでした。依代とも言えそうな、マリアが大切にしている木の人形の形がまぁ象徴的で、この人形について考えるだけでももう元が取れそう。生理的で神経に触る独特な表現が何故だかとても心地よかった。
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