茜

グレンとグレンダの茜のレビュー・感想・評価

グレンとグレンダ(1953年製作の映画)
2.7
ポンコツ監督として名高いエド・ウッドの長編映画デビュー作らしい。
服装倒錯者=女装趣味をテーマにした話で、自身も同じ趣味を持つエドが主人公のグレンを演じている。
グレンは女装趣味だけどゲイではないため女性の婚約者がいるが、結婚前に自身の趣味を打ち明けるか否か葛藤し苦しむ。

「死霊の盆踊り」とか「プラン9」の印象が強かったから、こういった深いテーマのお話を撮っていた事に先ずビックリ。
とは言えやはりエド・ウッド…過剰なナレーションでの説明過多が目立つ反面、不必要に思える意味不明な映像を挿入してみたりと、やっぱり映画としての作りはガタガタ。
それもそれで味もあるし、アートだと言われればそんな気もしなくはないけど、最終的に余り共感を抱けなかった時点でイマイチと言わざるを得ないのかも…。
結局エドが何を言いたかったのかっていうメッセージも私は上手く受け取れずボンヤリしてるんですが、何だかんだそんな不器用さも嫌いになれない愛され要素を持つ映画でもある。

本作で主人公の婚約者を演じたのはエドの恋人で、本作は一応ハッピーエンドで終わったものの、実際はエドのプロポーズを受け入れられず断ったというエピソードが悲しい。
ベラ・ルゴシが出て来るシーンになると一気に雰囲気が変わってホラー映画みたいになっちゃうの凄いよなぁ。
茜