安堵霊タラコフスキー

クール・ワールドの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

クール・ワールド(1963年製作の映画)
4.8
東京国際映画祭のプログラムの一環で上映された知る人ぞ知る傑作だが、思った以上に凄い作品だった。

制作にフレデリック・ワイズマンが関わってるってこともあり最初はドキュメンタリー映画かと思ったら、青年が窃盗を働く場面から突然フィクションへと移行し、しかも映像のタッチが最初のドキュメンタリーと何ら変わりないものだから臨場感が凄まじいこととなっていて、かなりのめり込んで見てしまった。

自分は撮り方が結構真に迫ったような映画も好きなんだなと改めて思い知ることと相成ったけど、これほどドキュメンタリーと見紛うフィクションを撮る監督ってのも中々貴重だから(匹敵するのはカサヴェテスの諸作品やゴダールの初期作品くらいか)シャーリー・クラークとこの作品はもっと評価されて然るべき映画だと強く思う。

でもこんな傑作なのに海外でもDVDが発売していない状況ってのはなんとも歯痒い。