一

クール・ワールドの一のレビュー・感想・評価

クール・ワールド(1963年製作の映画)
-
ギャングごっこに本気で興じる不良少年たちのストリートライフを描いたブラック・ティーンムービーであり、60年代初めの夏のハーレムのドキュメントでもある(製作はフレデリック・ワイズマン)。モノクロの街の風景ももちろんいいが、終盤のコニー・アイランドの海の広大さとゲーム屋台の明るさがもたらす束の間の解放感がすごいよかった。流れる音楽はクールなジャズだが、ストリートのボスに憧れる主人公の無根拠に自分を鼓舞するモノローグはやっぱヒップホップだ。教養もあって品の良さそうな黒人青年が人種差別について嘆くシーンもあるが、それに対する“What The Hell!”の一言は不思議と清々しい。最後まで未来は開けない“STAY COOL!”
一