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禁じられた遊びの346のレビュー・感想・評価

禁じられた遊び(1952年製作の映画)
4.0
初めて観ました。やはり名作でした。

でも、ずっと避けてたんですこの映画。なぜなら、幼い頃に観た、世にも奇妙な物語の同名タイトル「禁じられた遊び」の強烈な印象が残っていたからです。

当時はもちろん、こちらの映画が先にあるなど知らず、無垢がゆえに残酷な遊びに興じる子供たちを観て、まるで自分が咎められているような恐怖に苛まれました。

それは、そのドラマの主人公と同じく、死という子供にとって理解しがたい事象を、遊びに変えて飲み込んでしまおうとする、その行為の軽薄さ。無神経さに、自分をみたようで恐ろしくなってしまったからなのです。

それゆえ、とても印象深く、大人になって同名の映画を知ったときに、頼むから違った内容であってくれと願っていたのですが…。

ほとんど一緒です。
いや、全然違うんですけど、それを悲劇として描いたのが本作で、ホラーとして描いたのが世にも奇妙な物語の話のような気がします。そして、オリジナルを観たあとだと、世にも版は、本作品にある悲劇的な側面をすべて排除してしまった、ひどい出来の作品だと言わざる終えません。
どこかで、そう思いたくなかったから避けてもいたのですが…。なんだか悲しい。

なぜなら、その世にも奇妙な物語さえ観ていなければ、この映画により深い感銘を受けることができたであろうと思えるからです。

だから今では、世にも版の作り手を少し恨みます。ほとんど翻案とも言える構成に、オリジナルへの愛は微塵も感じられませんし、その行為の軽薄さと、無神経さが恐ろしくもあります。
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