エイデン

マウス・ハントのエイデンのレビュー・感想・評価

マウス・ハント(1997年製作の映画)
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“シュマンツ製糸工場”を創業し財を成したルドルフが死に、その財産は息子であるアーニーとラーズの兄弟に受け継がれることとなった
しかし残されたのは古びた製糸工場とガラクタばかりで、有名レストランを経営するがめつい兄のアーニーは不満をこぼす
もう1つ、前の持ち主が死んだという曰く付きの屋敷が郊外にあったものの資産価値は低いらしく、それを聞いたアーニーは父の遺した葉巻のケースを手に去っていってしまう
その夜 アーニーは経営するレストランに市長一家が食事に来ることになっていたが、放置していた葉巻のケースから1匹のゴキブリが出て来たことに気付かなかった
そのゴキブリは市長に出した料理に入り込み、市長は気付かずゴキブリを食べてショックを起こし、記者が集まる中 心臓麻痺で死亡してしまったことで、アーニーの名声はたった一夜で地に落ちてしまう
その頃 ラーズは製糸工場を博物館にするため、買い取りたいという申し出を受けていた
好条件ではあったものの、お人好しなラーズは亡き父と約束していた「工場は決して売らず兄弟で守れ」という約束を思い出す
その言葉を残した際に、父はアメリカに来た当日に拾ったという“運命の糸”と呼ぶ糸の切れ端を渡しており、ラーズもポケットにそれを忍ばせていた
その糸を見つめながらラーズは申し出を断ってしまい、帰宅後 上流階級に憧れる妻エイプリルに不満をぶつけられ、家から追い出されてしまうのだった
ラーズは当てもなく街をさまよい、食事をするためダイナーに入るが、そこでマスコミの目から逃れて働いていたアーニーと再会
クリスマスの夜にも関わらず、不幸の連続で宿すら無くなってしまった兄弟だったが、ふと父から相続した屋敷の存在を思い出す
想像していたよりも大きく豪華な屋敷に泊まることにした兄弟は、その夜 物音を聞いて目を覚ます
ラーズの助けで屋根裏を覗いたアーニーは、そこで小さなマウスと紙の束を発見
その紙は屋敷の設計図で、屋敷は1876年にラルーという人物が造ったとわかる
調べてみるとラルーは建築業界では知られた有名人で、何と屋敷は彼の未発表の建築物だったと判明
売却すれば6桁は間違いないとわかり兄弟は大喜び
研究者に混じって、ラルーのコレクターである資産家のファルコも現れ、すぐに買い取りを行おうとするも、金に目が眩んだアーニーは更に値段を釣り上げようと、オークションを1週間後に開催すると宣言
ファルコの言葉から、兄弟は屋敷が1000万ドルもの大金に化ける可能性まで見えて来て浮き足立つのだった
早速 屋敷の修繕をしながらオークションの準備をする兄弟だったが、その前に1匹のマウスが立ちはだかり・・・



『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズを成功させたゴア・ヴァービンスキー監督の監督デビュー作

ちっこくて賢いマウスと、図体デカい割に賢くない兄弟のマジ喧嘩を描いたコメディ映画

想像以上に賢いマウスを追い出すために延々と翻弄される兄弟を中心にしたドタバタ劇で、可愛らしいマウスの容赦無い攻撃と、まあまあ大人気ない兄弟による芸人ばりの大仰なリアクションが面白い
ファミリー向けの内容なので家族で楽しめるし、個人的な話だけど子ども時代大好きで録画したテープ擦り切れるまで観た映画だったりする

まあファミリー向けだから死者こそ出ないけど、マウスさんはいつでもお前らを殺すことができるという余裕ある撃退っぷり
ちょい役で出てるクリストファー・ウォーケンの惨状を見るに、『トムとジェリー』はトムの不死性があるから成り立つのだと気付いて背筋が寒くなる

笑いの質としてもファミリー向けなのかレベルは低めで評価も低めだけど、ややクラシックな意向の微笑ましいような笑いはあるし、何よりテンポよく楽しい映画ではあるので、個人的にはオススメ
マウスも可愛いぞ
エイデン

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