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暗い日曜日のkuuのレビュー・感想・評価

暗い日曜日(1999年製作の映画)
4.0
『暗い日曜日』
英題Gloomy Sunday.
独題Ein Lied von Liebe und Tod.
製作年1999年。上映時間115分。

ナチス占領下のブダペストを舞台に、名曲『暗い日曜日』
宇藤カザンさんて方の訳を、末尾に掲載しときま~す。
その曲に関わった男女4人をめぐる、独国(ドイツ)・匈牙利(ハンガリー)合作愛憎劇。

第2次大戦直前の匈牙利(ハンガリー)・ブダペスト。
ユダヤ人のラズロは恋人のイロナとともにブタペストに一軒のレストランがオープンします。 オーナーはラズロ (ヨアヒム・クロール)、彼の若く美しい 恋人イロナ(エリカ・マロジャーン)がフロアを担当。
ふたりは食事客にピアノ演奏を聴かせようと、 ピアニストのオーディションをするわけっすわ。
そこに現れたんが、のちに『暗い日曜日』を作曲することになるアンドラーシュ・アラディ(ステファノ・ディオニジ)。
ほどなく、イロナとアンドラーシュは互いに愛し合うようになる。
しかし、イロナはラズロとも関係を続ける。
3人は愛を共有し合うようになり、危ういながらも微妙なバランスを保っていた。
やがて、アンドラーシュがイロナに捧げた曲『暗い日曜日』が思わぬ大ヒットとなる。が、この曲が自殺を誘発すると問題に。
さらにドイツがハンガリーに侵攻、3人の運命の歯車も狂い始める。。。

『暗い日曜日』って、有名なシャンソン知ったはりまっか?
(誰に投げ掛けてるんだか🙇‍♂️)
1936年にフランス語の歌詞がついてから世界中で大ヒットした曲で、
日本やったら、窓を開け~レバー🎶
の淡谷のり子やパープルヘッド美輪明宏が歌ってるかな。
話はそれますが、小生が今、北陸に暮らす前に下見に何度もこの土地を吟味してる折り、常宿としてた某ホテルは、美輪明宏が泊まった折りに
『何か感じるわ』って部屋をかえさせたって部屋を、小生は好んで泊まってたかな😁←ヘンコ(変人)まっしぐら。
脇道・横道世之介しましたが、お話に戻りまして、
『暗い日曜日』を作曲したんがハンガリー人のレジョー・セレッシュ。
楽譜は読めへんし、ピアノは右手の指2本だけで弾いたピアニスト。
この人もかなりヘンコ。
彼は、映画の舞台となったブタペストのレストランでピアノを弾く仕事をしながら、『暗い日曜日』を作曲して、その後、匈牙利語の歌詞がついてレコード化され、ヒットしたんやけど、ところがギッチョンチョン(古っ)、この曲を聴いて自死する人がブタペストで続出。
米国や独国でも同様な現象が起こり、ローマやと乞食(こつじき)←これやと差別感がないかな。
が口ずさんでいた 『暗い日曜日』を聴いたパシりのガキが、有り金すべてをその乞食に渡し、 川にドボンと飛び込んでしもたり。
まぁ尾ひれはヒラヒラ付いとるやろし、どこまでがマジなんかはわからんけど、 
『自死の聖歌』って異名のレッテルを貼られ、 ついに発禁処分。
1988年に、これらをもとに、 ニック・バルコウが『暗い日曜日』の小説を書き(英訳既読)、 独国のドキュメンタリーのテクある監督のロルフ・ シューベルが映画化したんが今作品。 チョイ暗い雰囲気を醸すアラディに、イロナはひと目で興味を持ち、ピアノ を聴いてシビレちまう。
結局、ふたりはフォーりんりんLUV、恋に堕ち三角関係になっちまう、 ラズロとの濡れ場は風呂に一緒に入る姿を描いてて、包容力やセックスの強さを表現しているんかな。
一方、アラディとのエッチじゃ、女子がリー ドを取って、野郎が甘えていて、 ふたつの愛情が対照的に描かれているんやと思う。
財力や包容力と、子を抱き締めるような純粋な愛が、一度に手に入る濡れ手に粟。。。濡れる方は手だけかっ🙇‍♂️。
強欲やなぁ。
舞台となった1930年代から40年代初頭のハンガリーてのは、独国ナチスが台頭してくる激動の時代、店のオープン当初は純粋な青年やった客も、ナチスの将校となって匈牙利に戻ってくる。
結局、ラズロもイロナ、そしてアラディも暗い歴史の荒波にのみ込まれ、翻弄されちまう。
三角関係のラブストーリーとして見てもオモロかったし、ナチスの戦争犯罪モンとしても興味深い。
女子のサスペンスとしてもよくできてるかな。


Sombre dimanche  、暗い日曜日         《宇藤カザン訳》

Sombre dimanche...
Les bras tout chargés de fleurs
Je suis entré dans notre chambre
Le cœur las
Car je savais déjà
Que tu ne viendrais pas
Et j'ai chanté des mots d'amour
Et de douleur
Je suis restée toute seule
Et j'ai pleuré tout bas
En écoutant hurler la plainte des frimas ...
Sombre dimanche...

暗い日曜日・・・
腕にあふれるばかりに花を抱えて
私は擦り切れた心で私たちの部屋に戻った
それというのも今日はあなたが来ないのは分かっていたから
愛の言葉と苦しみの言葉を口ずさみ
独り取り残され私はすすり泣いた
凍てつく木枯らしのうめき声を聞きながら・・・
暗い日曜日・・・

Je mourrai un dimanche
Où j'aurai trop souffert
Alors tu reviendras,
Mais je serai parti
Des cierges brûleront
Comme un ardent espoir
Et pour toi, sans effort,
Mes yeux seront ouverts
N'aie pas peur, mon amour,
S'ils ne peuvent te voir
Ils te diront que je t'aimais
Plus que ma vie
Sombre dimanche.

苦しみに耐えかねて
いつか日曜日に私は死ぬでしょう
あなたが戻って来る時には
私はもう逝っている
ろうそくが切ない希望のように激しく燃え
私の目はあなたへと力なく見開かれるでしょう
愛する人よ、怖がらないで
たとえ私の目があなたを見ることができずとも
命に代えてあなたを愛していたことを
私の目が語っているでしょう
暗い日曜日

N'aie pas peur, de mes yeux,
S'ils ne peuvent te voir
Ils te diront que je t'aimais
Plus que ma vie
Sombre dimanche.

私の目を怖がらないで
たとえ私の目があなたを見ることができずとも
命に代えてあなたを愛していたことを
私の目が語っているでしょう
暗い日曜日
私の目を恐れないで
私の目は私の命に代えても
あなたを愛していたことを語っているでしょう
暗い日曜日
kuu

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