逃げるし恥だし役立たず

バラ色の選択の逃げるし恥だし役立たずのレビュー・感想・評価

バラ色の選択(1993年製作の映画)
3.0
高級ホテルに勤めるコンシェルジュのダグ・アイアランド(マイケル・J・フォックス)がホテル経営を夢みて奮闘するが、彼が思いを寄せる女性店員アンディ・ハート(ガブリエル・アンウォー)を前に愛か金かの選択に葛藤する。マンハッタンを舞台にした爽やかなサクセスストーリー。
ニューヨークの高級ホテルに勤める優秀なコンシェルジュのダグ・アイアランド(マイケル・J・フォックス)は切れ者で宿泊客の望むモノをテキパキと用意する。彼の夢は将来自分のホテルを経営する事で、高額のチップをホテル建設の資金として貯め込み、建設予定地にも目星をつけている。出資者候補となる英国人実業家クリスチャン・ハノーヴァー(アンソニー・ヒギンズ)の気を引こうと奮闘するが、ダグが思いを寄せる女性アンディ・ハート(ガブリエル・アンウォー)はハノーヴァーの愛人だった。アンディの相手をしているうちに愛が芽生えて、夢の実現か其れとも愛のために行動すべきか"For Love or Money"の厳しい選択を迫られる。何やっても上手くいって理想的な結末を迎えると云う映画の世界の御伽噺を語り切る、当時のノリにノッてたマイケル・J・フォックスらしさの出た最後の映画であろう。
舞台は御洒落な雰囲気のニューヨークの高級ホテル、小さくってキュートな父ちゃん坊や、元い永遠の好青年のマイケル・J・フォックスが飛んだり跳ねたり走ったりオープンカーに飛び乗ったりと身体のキレは流石で、夢物語なのは百も承知のアイデアだけで構成されるドタバタコメディなんだけど、無駄がなく、話は凄く分かりやすく、コミカルな部分も軽妙なテンポを乱すことなくスムーズに挿入されて、様々な登場人物が重要な役回りをして、どんでん返しが起きる。ちょっとやり過ぎの部分もあるが、嫌味で勿体ぶった三谷幸喜のホテル物とは違って執拗さはなく後味スッキリ、蛇足もなく、物語はこれ以上ない程にきちんと終わりを迎える。ストレスなく見ることが出来て見終わると何も残らないという或る意味では理想的な娯楽作品なのかもしれない。
少女の面影を残すガブリエル・アンウォーが不倫女って…マイケル・J・フォックスの作品には何だか微妙な設定のヒロインが多いのだが…