カンパッチー

17歳の処方箋のカンパッチーのレビュー・感想・評価

17歳の処方箋(2002年製作の映画)
3.2
兄弟で母親を絞め殺すところからOPがスタートするというなんとも衝撃的な始まり方ですが、内容はまぁイグジーことキーラン・カルキンの自分探しなビターな青春成長物語です。

お父さんはスーザン・サランドンの期待に応えられずプレッシャーでうつ病になってしまったのかな?イグジーは望まれて生まれた子ではなかったから優秀なお兄ちゃんと違い母親からの愛情が得られず、ひねくれたというか、死んでから母親を愛していたんだと気づいて叩きながら号泣するところは、やっぱり17歳なんだなと家族や周りに頼れる存在がいないというのは辛いですね。

母親のスーザン・サランドンも袋越しの目付きだけでさすがの一言です。彼女が出るだけで画面が引き締まります。しかし、自分が醜く病んでいく姿を見たくないからって、息子達に自殺幇助を頼むというのもどうなんだろう?そしてイグジーの母親への反発というのを描きたいのならもっと母親との対立場面を増やすべきだったのでは?NYでの家出で童貞喪失、彼女を兄に寝盗られるなど自堕落生活ばかり写しているので、いまいち作品のピントがはっきりしないんですよね。

選曲とかその辺はとても好みだったし、前を向いて歩いていく希望をもてるエンディングだったのはよかった。コメディっぽく見えるかもですが、全くコメディではなく重めな青春なので要注意です。