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僕はボディガードの一のレビュー・感想・評価

僕はボディガード(1964年製作の映画)
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渥美清が要人警護の警察官を演じる異色作。渥美が全力疾走したり発砲したりするのは意外性あってオモロイし当然喜劇なのだが、権力の犬なのに犬が大嫌いという設定だけがブラックコメディで、あとは結局中途半端。途中、工場ストライキのデモ隊と揉み合ううちに上司が思いっきり轢死する突然のシリアス展開はびっくりするけどアンバランスだろう。加東大介演じる国務大臣が埋立て反対の酔っぱらい漁師に刺されそうになったあと、いわば体制維持に加担する立場であるボディガードという仕事に疑問を抱く場面には「おっ」と思わされるものの、先輩・笠智衆に言いくるめられて終わり。ラストに至ってはケネディ暗殺のニュースを観て「暴力許せない!」とやる気満々。そりゃ暗殺は許せないが、なんか政治と暴力の関係についてもっとよく考えて欲しい。
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