あなぐらむ

四月怪談のあなぐらむのレビュー・感想・評価

四月怪談(1988年製作の映画)
3.6
大島弓子原作、小中和哉監督で送るファンタジー映画。
ひょんなことから幽霊になってしまった少女を、まだ初々しい中嶋朋子が演じるさわやかな一編だが、その内容は結構重い。共演はこちらもまだ若い柳葉敏郎。
この時期、幽霊ものが流行していた(「異人たちとの夏」等)。
公開がオクラ入りになっていた今関あきよし「グリーン・レクイエム」が公開されたのも同年なので、やはり潮流として少女ファンタジーがあったんだと思う。こちらも文芸座に観に行きました)

本作、テアトル新宿の単館だったと思う。俺舞台挨拶観に行った記憶がある。Wikiによると、小中さん初の35mmとか。撮影は志賀葉一。
小中和哉はJホラーにおける方法論を構築された小中千昭の弟さんで、主に「平成ウルトラ」で有名な監督だが、二人で平成ガメラの基礎となるプロットを作られたりと、邦画SFのの貢献度は高い信頼できる人。

当時ちょうど社会学的な視点で「少女論」が語られ始めた時代で、主演の中嶋朋子もまた、この手の冊子(太田出版系の)で「少女」代表としてインタビューを受けていた。中嶋は「ふたり」でも再び幽霊を演じる事になる。彼女は少し大人になってからの「あさってDNACE」などこの頃が一番良い。山田洋次組に行く前ね。