うらぬす

ガールファイトのうらぬすのレビュー・感想・評価

ガールファイト(2000年製作の映画)
4.0
ボクシングの試合中にも容赦なくセオドア・シャピロの音楽を流し、ひりつくような緊張感を多少犠牲にしてでもエモーショナルに演出する方を優先するあたりが、『ストレイ・ドッグ』を観たときに感じたカリン・クサマ監督の作家性と一致した。賛否ありそうだなとは思うけど、くどくなる一歩手前でしっかり踏み止まれているし、ボクシングの試合ではなくドラマを目的に映画を観ているから個人的には「賛」寄り。そして何より、心の裡に燻るものを抱えたミシェル・ロドリゲスの演技は当時新人だったとは思えぬほど陰翳に富んでいて素晴らしかった。