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2001年宇宙の旅のnamikiriのネタバレレビュー・内容・結末

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

子供の頃にみて、全く理解出来なかった難解な映画だったのでその後見る事がなかった。

「アイの歌声を聴かせて」からHALを感じたので、それがきっかけで詳しく最初から最後まで観てみたいと思った。

そこで気づいたのは、ここに感想を書いた「SFアニメ映画」全てに共通する原典だった事!!!

この映画が1968年に製作された事が何といっても驚きで仕方がない。

宇宙、人類、科学とその源とも言える、形而上的なものに訴えかける何かがあって、イマジネーションを刺激された。点数をつけられるものではない。

私が5歳の頃に行った「つくば万博」が、まさにこんな世界観だった気がする。遠い日の記憶が呼び覚まされるようでもあった。今考えると、科学万能の時代で、日本が元気な時代だ。

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【影響を感じた作品】

・アイの歌声を聴かせて

この作品から「アイの歌声を聴かせて」に昇華させるのは、吉浦監督の凄いセンス😲

・月
・柔道(東京オリンピックが1964年)
・AIであるHALとカメラレンズ
・デイジー・ベル。コンピュータが初めて歌った歌。愛の歌。二人乗り。
・詩音がネットを移動する描写など。

アイ歌のイメージを損なう恐れがあるので、こっちに書きたかった。

・柔道のシーン

宇宙ステーションのTVのシーンで東京オリンピックの柔道の様子が写っていた。柔道とダンスパートの着想はおそらくここから。あと「YAWARA!」からだろうね。歌詞から。

・デイジーベルについて

アヤとゴッちゃんの二人乗りのシーンも元ネタは、HALが歌ったデイジーベルから来ていた。元ネタを知ったところで、アヤはアヤだし、ゴッちゃんはゴッちゃんだし、僕はこのシーンが本当に好きだから、泣けてしまうのに変わりはない。
http://jazzsong.la.coocan.jp/Song472.html

アメリカでは、子供向けにアレンジされて流行っているみたい。でも、原曲は生涯を誓い合うような愛の詞とメロディが気に入ってしまった。
https://youtu.be/17eMYjRjEhQ

二輪車が一輪車に、男女が入れ替わっているのは、サカサマのギミック。2が1になるのがなぜサカサマかと言うと、二進数(Bit)で表すと1→01, 2→10だから。a ”Bit of Harmony” なんだなと。これは、僕がプログラマーだから共感できる事なんだろうな。

・裏テーマに対する妄想

アイ歌のつきかげから、カメラレンズが地球を見つめている描写はHALっぽく見える。人によっては、それが恐怖に捉えられることもあるだろう。

でも僕は、これはイリノイで作られたHAL 9000の方じゃなくて、僕の故郷の山梨にある「HAL研究所」の方で「みんなを笑顔にしたい」岩田さんが宿っていると感じられたので、怖さは感じなかった。そっちの方がロマンがあるから。竜王の高台にあるその場所は、富士山と星空と月が見え、甲府盆地の夜景の見える絶景である事もお伝えしておきたい。

僕はITエンジニアとして、岩田聡さんと糸井重里さんの対談を凄く興味深く見ていて、学びにになった。大学時代に自分の興味からゲームも作っていたし、それが今の職業に繋がっている。今日ITベンチャーで実践されている1on1など至る所に学びがあり、僕自身マネジャーとして実際人の心を受け止めるっていうのは凄く大変な事だった。

ちょっと話が逸れてしまったが、無駄なことの方が面白いとほぼ日を見て思うところがあったので書いてみた。

つきかげの静止衛星から詩音がお節介を焼く描写に「もしもーし」が入っていてきっと0.4秒のタイムラグがあったんだろうと思った。これはネタを知っていると楽しめるって言うオマケで個人的には良いと思っている。

https://www.1101.com/iwata/2007-09-13.html

岩田さんが、このタイムラグを即答出来たのも、もしかしたら本作がきっかけなんじゃないかなとか妄想している。そういうシーンがあった。何せHAL研究所の社長だった訳だからね。

私はプレイしたことがないのだが、岩田さんが立て直したことで有名な「MOTHER2」は機械(ロボット)⇄人体に精神が行き来する描写があるようだ。久々にSwitchを入れて遊んでみたくなった。

マリオの弟のルイージのカップルとしてデイジー姫がいる。岩田さんは、ルイージの帽子をかぶって登場するシーンがよくあった。その精神はイカ研究員に引き継がれているんじゃないかと妄想もしている。

柔道と岩田さんのつながりは、分からなかった。検索するとこのような記事もあった。
https://ameblo.jp/setakan/entry-12390544841.html

最後まで「人を幸せにしたい」という希望(デイジーの花言葉)の意思が伝わってくる。

「つきかげ」から「もしもーし」という電話がかかってくる描写は、天国から岩田さんが「直接」語りかけるような描写だと考えると感慨深いと思った。あくまで私の妄想の話。

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【エヴァ】

エヴァも、かなり影響受けてることが分かってしまった。特に旧劇はかなり近い。TV版も各話毎元ネタがあるようだが、骨格を形成するのは本作で間違い無いと思う。

・形而上的テーマ
・モノリス
・コンピュータのモニタリングの描写
・委員会
・月と、地球、木星、太陽
・補完の描写など
・私の教師はラングレーです。
・希望(JA回)、希望という病
・マグマダイバー回での胎児、ロボットアームでCaptureする様子
・製作のキングレコードの
「⭐ Star Child️」ってここからだったの!!!確かに映画でのサウンドロゴはSF感あって印象的。
・人類の歴史は科学の発展と戦いの歴史。エヴァ的には愛を紡ぐDNAの歴史でもある。

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【つくば万博】

どことは言えないが日本人が科学に対して熱意と敬意を持っていたところかな。井深大さんや、本田宗一郎さんなどなど日本を牽引してきた、錚々たるメンバーが企画に参加していたようだ。

ネルフ本部がUCC館っていうのだけは何故か克明に覚えてる。

マスコットキャラクターの名前が「ほしまる」だという。テーマは、”Science and Techonology for Man at Home”

アイ歌の「HOSHIMA」ARIAの「マンホーム」もここなのかな。

【たま「さよなら人類」】

意味不明な歌詞だと思っていたが、
本作のオマージュだったのか。

【わたしは真悟】

形而上的テーマ
コンピュータが意志を持つ。

こちらも荒唐無稽だが、コンピュータやAIによって職が奪われる(≒働き方が変わる)事を予知できていたのは慧眼。

また、アイ歌のサトミ・トウマパートの元ネタになっている。

【ナイトライダー】
KITTのセンサーとか、
KITTが壊される時の描写が似てるかなと

こちらは、だいぶ実現した感じ。流石に、アナログのものを弄るのは無理だと思うけどね😁

AppleやTeslaなど今まさに時価総額世界TOPを争う会社が取り組んでいる事だ。

【魔法科高校の劣等生】

科学者同士の倫理観の対立
木星探査任務の真意を理解し断る

こちらは、(魔法を使った)再生可能エネルギーの研究をするというこれからの可能性が示唆される。

などなど
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ここに書くべきかあれだけど。

庵野監督→虚数と実数
新海監督→距離や時間の差分
吉浦監督→ベクトル、線形代数

による自然や人の相互作用がSF的なテーマ性として感じられる。

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新しいと思われるものも、それこそ冒頭のシーンで、猿が道具を手にした瞬間から、連綿とした人類の歴史の上に積み重なって成り立っているものなのだなと。

非常に多方面に影響を与えた名作なのだと、今にして分かった気がする。
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