たかはし

2001年宇宙の旅のたかはしのレビュー・感想・評価

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)
4.4
まず最初に、50年近く前にこの映画が作られたということに驚きを隠せない。
映像技術もさることながら、AIの暴走というテーマ設定も"新しい"。
もし本作が今年に公開されたとしても全く古臭さは無いし、むしろ"斬新"と見られると思う。

さて、本作のメインテーマはHAL9000の暴走よりも、黒い"石碑"だろう。
人それぞれの解釈があると思うが、私は"石碑"="英知"だと思う。
人類の先祖が「道具」という発明に出会ったのとちょうど同じように、現代人も新たな英知を求め続けている。
この、太古より不変である人類の本能を再認識できる。

映画の終盤の描写では、地球人の英知など宇宙ではちっぽけなものだと捉えることもできるし、結局最終的に辿り着くのは地球の英知であるとも捉えられる。
果たしてどちらが真理なのだろうか。
この疑問こそが、我々が「宇宙」というものに抱くロマンの正体なのだと思う。

全てのSF映画のインフルエンサー。
たかはし

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