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式日-SHIKI-JITSU-のtakerattaのネタバレレビュー・内容・結末

式日-SHIKI-JITSU-(2000年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

アニメではなく35mmフィルム実写映画の庵野作品。その程度の知識で観ました。


最初に、この世にメンヘラとかまちょは居ていいです。
否定しません、居てください。
自分の大切な命を儚く思わないで欲しいし

そういう立場にある人は、苦しむくらいなら愚痴は聴きます。それしか出来ないけれど。


映像と共にナレーションが、W主人公の、製作に行き詰まって現実逃避をはかる男の子、カントクと、
過去にトラウマを抱え、自己の精神性から独自の儀式を行う女性の、

不思議な繋がりを叙情的に美しく、でも、娯楽的ではなく、誰にも理解なんか得られなくても構わない位の苦悩を、カントクの一人称で描く31日間。


個人的には、錯乱した人や、他人から発狂扱い受けてても、精神疾患の病症でしかなく、治療対象と受け止められる世界の範囲にはみえて、

違和感はなかった。むしろ少し楽しめもしました。


人とは不思議なもので、女と男、一緒に居ると、
拒む女と、求めてしまう男。
案外この構図は、多めに見掛ける感はある。

あくまで私見だが、やがて、需給のバランスや欲望のタイミングや、愛情や性格の違いなどから
破局に至るケースもあり、

こればかりは恋に付ける薬無しな訳で。


冒頭で、明日何の日か知ってる?って
儀式を行う前日が、毎日という式日前を送ってる
この女性を、

単に気紛らわし程度に工場街の古い線路で見つけ、撮影をし始める

女性は訊ねる、sex好き?と。
カントクは男ならそれは。。。この辺りで控えめにしておくのが、庵野監督流の、岩井俊二監督風味なんだなと少し感動もあった。

女性はsex嫌いだししないと、突き放すように言う。
そこには、姉や母への血族、家族への嫌悪なのか、
彼女らと同じになってしまうというと。

自分は違うという、小さな自己主張。

これが、ストーリーと共にどう変わるか?は
とても興味深かった。
人生とは、正にシーソーゲームだなと。


映画というよりも、芸術的な映像作品という印象。

女性役の、藤谷文子さん、可愛らしい!
(でも冷静に考えたら、知ったのはCMの女学生役位だけど、思えば人妻よ!汗)

女性は、如何様にも変わるし美しく、歳を重ねることの大変さも学びを得ました。


毒母や毒親に悩まされて、心を病んでしまったり、それ故に運命論的に、占いやら宗教漬けになられる方もおられますが、

捨て子で親を知らない自分からすると
親はありがた迷惑なのかな???とか
そこは自分の学びが足りなくて、理解が出来なかった。情けない。


病んだりする事もあるのかも知れないけれど、そう言う人も、
病を生きる人も、病棟の人生の人も、生きるべき人達だとも思えば

精神疾患見えそうで、医療とは縁遠くも、恐眠症気味な女性が、

やがてカントクを束縛し、共に添い寝するだけで熟睡出来、素敵な笑顔の、ふつーの女性に、
戻ってゆく。

切ないけど、嫌ってた、姉や母のように。

そして、なくてはならない存在化し依存してゆく、

そのすれ違いは
それ、他人だものなぁというのと

女と男の、方向性のベクトルの違いに
投げやりなストーリーは、

庵野監督なりな、苦悩の吐露だったのかな?!とも思えた。

人はみな、悩み無く生きるって難しいね。

自分も過去の少ない恋愛からメンタル病んで今も治療受けてるから、よーく分かる。


それでもぽつねんと、無人島で独りでサバイバルするよか、
何かと何かの関係性の中で、何かの相互作用があった方が
ストーリーが出来、孤独から、孤立せず社会になるんだね。

人の世とは誠に、不思議。

ただ、全てが精神疾患とか、妄想とか、虚構ではないとも思う。
そこのボーダーって、こころの有り様を人が裁けない気もする。

二人が良ければ全て良し。但し法治国家のうちの、家政経済に於いて、ですが。

結婚にも、お付き合いにも発展してもしなくても、愛ある所に歴史は日々出来るんだよね!

何にもしないより、何かした方が良いと思うかな。笑

不思議だから面白く、
また、狂おしくもあるのかも知れないね。

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式日 ritual

監督 : 庵野秀明
脚本 : 庵野秀明
原作 : 藤谷文子『逃避夢』
製作 : 鈴木敏夫
製作総指揮 : 徳間康快

ナレーター : 松尾スズキ 林原めぐみ
出演者 : 岩井俊二 藤谷文子 村上淳 大竹しのぶ
音楽 : 加古隆
主題歌 : Cocco『Raining』

撮影 : 長田勇市 岩井俊二
編集 : 上野聡一
製作会社 : スタジオカジノ
配給 : 徳間書店
公開 日本 2000-12-07
上映時間 : 128分

原作作品、原典は、藤谷文子さんの作品がモチーフ。
お二方ともSF好きの様子。

後付けで知ったけど、

庵野監督の奥様は
安野もよこさんなのね!
Wあんの。びっくりしたわ!
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