2023_159
言葉は祈りで言葉は呪いで
なぜ言葉が生まれたのか?
それは世界はひとりぼっちではいられないから
庵野監督のセカイをギュッと濃縮したような、悪い言い方をすれば厨二病全開。映像はまんま実写版エヴァだし、繰り返す日々はビューティフルドリーマー、オモチャのサーキットをぶっ壊すのはゴジラかな?なんて事を思いながら、このリアリティも生活感もないセカイを安全圏から見守る。
映像だけでは語りきれない思いを言葉に託し、マシンガンの様に乱れ撃つ。進展しないやり取りこそが本作の醍醐味で、それこそ中学生のようなピュアな恋愛に白けながらも断ち切ることができない。
優しさや愛情、想いは言葉にしないと伝わらない。その逆も然り。ひとに伝える為にこそ言葉はある。言葉は愛や憎しみの発露。
全部夢でしたと言われても何の違和感もない。毒にも薬にもなる、そんな映画でした。
好きな人、刺さる人には堪らない作品だと思うのでオススメします。