個人的に好きな映画。虚構に逃げてしまった少女が、映像制作に疲れてしまい地元に戻ったカントクの力を借りて現実に帰還するお話だと理解した。少女をマイクロフィルムで撮影した映像でも映し出すシーンがこれまで続いたトラウマチックな映像に癒しを与えてくれるようで個人的にお気に入り。
映画、そして映画を撮るという行為が虚構への逃避だとすると、カントクと少女は本質的には似たもの同士で、その二人が惹かれ合い恋に落ちるのは納得できる。最後、共に現実に向き合うという結論は痛みを伴うが生きるために必要な通過儀礼なのだろう。シン・エヴァのラストを思い起こさせる。
