Keruta

式日-SHIKI-JITSU-のKerutaのレビュー・感想・評価

式日-SHIKI-JITSU-(2000年製作の映画)
4.8
庵野監督自身を投影し、作品史上、最も内面世界を色濃く描いた映画。

監督の故郷、山口県宇部市をロケ地に精神を取り乱した彼女と疲弊したカントクの触れ合いが描かれる。

彼女は庵野監督自身の精神でそれを客観視しているのが岩井俊二演じるカントクではないかと解釈。
「明日は私の誕生日」とは明日こそは現実は変わるという願いだったのか。

この作品で当時の監督自身の精神を全て吐露し、最終的に彼女が現実に戻るのと同時に後年の『キューティーハニー』の制作や再び14歳の少年少女と向き合うことに決心が着いたのかなと感じた。

決して万人に向けられた映画ではないですが、監督が前進するために必要な作品だったように感じています。
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