ナカムラ

晩秋のナカムラのレビュー・感想・評価

晩秋(1989年製作の映画)
5.0
2年ほど実家に帰っていなかったジョンが、母親が倒れたのをきっかけに帰省。
母親が戻ってくるまでの間、年老いた父親と過ごすという物語。

気の強い母親と、年老いて何も出来なくなった父親。
1人では何も出来なかった父親が、ジョンと共にどんどんできることが増えていく。
一緒に過ごせなかった時間を共に楽しそうに過ごす2人の姿に、こちらも微笑ましくなる。

気の強い奥さんが旦那さんには照れくさそうなのも可愛らしくてほんわかする。

幸せだ、といったすぐ後に発覚した父親のガン。
対応の冷たい医師たちに怒りを露にしたジョンは自分が介護することを決める。

父親ジェイク役のジャック・レモンの演技に魅せられる。
入院するジェイクとその介護をするジョンを音楽に合わせて見せるシーンは、言葉がないのに涙が出る。

限られた説明しかされないので、自ら読み取る必要が出てくるシーンが割とあるように思う。
登場人物の関係やら背景やら、ガンが発覚してからの父親の変化が激しく一瞬ついていけなかったこともあったが、そのあたりは何を伝えたいのかを考えながら見なければいけないな、と思った。

親子関係がメインに思われるかもしれないけども、後半は夫婦関係もメインになってくる。
個人的にはその辺もとても大切に感じた。
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