LEONkei

KAFKA/迷宮の悪夢のLEONkeiのレビュー・感想・評価

KAFKA/迷宮の悪夢(1991年製作の映画)
3.3
悪夢を書き続け、悪夢に冒される。

第一次世界大戦後のプラハは渾沌とした暗黒の時代、権力者に支配され官僚社会に従属するのは〝フランツ・カフカ〟も同様。

悩める〝カフカ〟が巻き込まれる悪夢を独創的な物語に描き、彼の数々の作品をオマージュするフィクション。

白と黒のコントラストは鋭利な社会の冷たさと感情を消失した人間の虚しさか、特に〝カフカ〟の勤務する職場は抑え気味のハイライトで無機質感に描写しモノクロ映像の美を感じる。

派手さは全くないが個性的で中堅からベテラン俳優で固めた布陣は安心して観れる大人のミステリーとも言えるだろう。

〝カフカ〟作品の数作は読んではいたが全てを読み込んではいないので把握できない部分も有り、個々の温度差によっては迷宮度合いが違うはず。

架空の悪夢を書き続け、現実の悪夢に冒される〝フランツ・カフカ〟..★,
LEONkei

LEONkei