いなだ

KAFKA/迷宮の悪夢のいなだのネタバレレビュー・内容・結末

KAFKA/迷宮の悪夢(1991年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ここ一ヶ月ほどカフカの小説を色々読んでいたため、カフカワールド(モノクロ)だぁ〜と思って観ていたら、いつのまにかソダーバーグワールド(カラー)に連れて行かれてびっくりした。
カフカの著作を全部さらったわけじゃないので拾えなかったネタもあると思うけど、『城』ベース(『訴訟(審判)』の要素も)×ミステリー、アクション、ディストピア、ホラーみたいな…奇妙な映画だった。また、主人公はイコールカフカではないのだが、就いている仕事や女性関係、父との関係、そして小説の執筆(『変身』『流刑地にて』を書いてる話をしてる)という生活がだいぶ実際のカフカの姿と重なり、“悪夢”を見た後に、父との関係に言及されるラストが印象的だった。作家の人生と作品世界を混合させることで、カフカにとっての「真実」とは?カフカの見た「悪夢」とは?というテーマが、それこそ“迷宮”のようになって閉じ込められてしまうのが面白い。

『城』が元ネタと思われる助手コンビを映像化されると、コミカルで笑っちゃうな。ストレートに双子設定だったし。人間を改造する〜グロ描写あたりはカフカっぽくなく感じたので(流刑地〜はグロいけど…)この監督の色なのかな?やっぱカフカの作品のイメージってモノクロ…。
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