カフカ好きの、カフカ好きによる、カフカ好きのための映画。
新進気鋭な頃のソダーバーグ監修ということで普通に内容も面白いんだけど、とにかく世界観が好き好き好き。
OPからいきなりカフカ的悪夢の世界に誘われるわけだけど、その悪夢と行ったり来たりする現実世界として描かれるプラハの街並みもこれまた侘しいもので、行き交う人も無く荒涼とした冷たい世界に見える。
1900年代初頭の中欧と言えばそれはもう煌びやかなものではなくて、「第三の男」の舞台となったウィーンのようにどことなく不安を感じさせる世界として描かれることが多く、当時の社会にはびこっていた政治的不安などの背景がカフカの作風に大きな影響を及ぼしていたことが伺える。
そんなフランツ・カフカの生きた軌跡を辿りに、今週末からプラハへ行ってきます。