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17歳の風景 少年は何を見たのかのazkyonのレビュー・感想・評価

3.7
”ゼツ、ゼツ、ボウボウ、絶、望、ボウ”

まず見終わった後の感想は疲れた。
寒風の中、雪の降る中、自転車をこいで足も疲れるしお腹もすく。
それを見ているだけで疲れた。

母親を金属バットで殺し、日本海側を北上して行く17歳の少年は何を見、何を考えていたのか、誰にも分からないだろうけど、自転車をこぐ少年の向こうに見える日本海の重苦しい荒れ果てた風景、それにかぶさってくる友川かずきの叫び声の歌が少年の心の内を想像させる。
私としてはそれだけでもよかったんじゃないのかと思うんだけど、監督は問いかけたかったのですねぇ。
監督自身が老人に扮して戦争体験を語り、足をくじいた老女に在日の悲しみを語らせることで、その時代と現代の青春のあり方を問いかけている。
いったいどちらが幸せなのか?どちらが不幸なのか?
友川かずきは生まれてきて生きて死んでいくことそのものを問いかける。

”僕はどこへ行くんだろう・・・
ゼツ、ゼツ、ボウボウ、絶、望、ボウ”
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