フォードの軍映画はごちゃごちゃになってしまうので一応時系列順に並べておく(ついでにドキュメンタリーも)。
※★印は日本でDVD化されているもの
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・『『Sex Hygiene』(1942年・30分)
★『The Battle of Midway』(1942年・18分)
・『Torpedo Squadron』(1942年・8分)
★『December 7th』(1943年・検閲版32分/全長版82分)
・『We Sail at Midnight』(1943年・20分)
・『Undercover』(1943年・61分)
★『December 7th』
(1944年・34分/43年の同タイトル作の前半部分が海軍を摘発しているとしてフィルムを没収した後、後半の戦闘シーンを中心に戦意高揚映画として再編集したもの)
・『This Is Korea』(1951年・50分)
・『The Red, White and Blue Line』(1955年・10分)
・『The Growler Story』(1957年・8分)
・『So Alone』(1958年・8分)
・『Korea』(1959年・40分)
★『海ゆかば』
(1974年・102分/フォードの第二次世界大戦ドキュメンタリー全てを日本人が再編集したもので、撮影総指揮…ジョン・フォードとなっている)
・『Chesty: A Tribute to a Legend』(1976年・47分)
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フォードとキャプラが同時期に撮った作品を比較してみると(それぞれ軍隊讃歌と敵対国の非難という異なる面に重きを置いている)、キャプラは死体など露骨なものを被写体として捉えることを躊躇しないドキュメンタリーである一方、フォードはナレーションでも女声を使用する宣伝的な側面を組み込みつつ、戦線の緊張感は一兵士の主観となって爆撃を見つめる。
本作での反日要素は二義的なものに過ぎず(しかしプロパガンダというからにはしっかりと描かれているが)、隊と兵士の存在をとにかく肯定して結果は当然のものとするやや偏った姿勢。
前半の美しすぎるアコーディオンやカモメのショットは流石なんだけど、逆に後半のはためく軍旗にリパブリック讃歌が重なる陳腐な演出は明らかに妥協が見えてしまう。