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ブレインストームのjonajonaのレビュー・感想・評価

ブレインストーム(1983年製作の映画)
3.8
SFらしいSF。人の意識を読み込ませ共有する装置を科学者の主人公チームが生み出しすのだが、科学者の相棒である女性が発作で死亡してしまい彼女の死後の意識がその装置の中に読み込まれていく。

前半はこの画期的な装置を生み出したチームが反響を生んでいく様子。元夫婦関係にある主人公とその妻が装置によって当時の記憶を感情ごと思い出し共有し再び愛し合うのが印象的。
後半は死んだ人の『死後の意識』に入っていくという非常に興味深い展開と、その死後の意識をめぐって陰謀が孕む様子を描く。
映像として『死後の意識』が見れるのなら相当面白いと思って期待したのだが、意外とシーンとしては少ない。やはり結局は人間同士の争いがドラマとして映えるからか。楽しみにしてたんだけど。でも短いシーンながら映った様子はかなり怖くてよかった。

しかし意識を接続するなんてものを作り出せるこれほどの天才科学者達が、夫婦関係や人間関係(自分の性格、自分であるということそのもの)には自力でいかんともしがたいジレンマを抱えて生きているというのはなんだかフェチである。好きな部分だった。

ガジェットがガチャガチャしててレトロなSFらしい猥雑さで好きだった。
VRなんかない時代だと考えると相当な先見性。セックスの絶頂の瞬間を体験し続けて死にかけてるおじさんは現代ではもう割とリアルな話だと思う笑。VR怖い

意識(記憶?)が水晶玉みたいに整然と並んでるのはなんか機械的で面白かった。iPhoneの待ち受け画面のアプリ列みたい。

冒頭で意識が接続してることを確認するために膝ポーンてすると繋いでる博士の膝もポーンで動いて目の前の机の皿がガシャーン!てひっくり返るのすき。そうなるのわかってたんやからのけときなさい。

元夫婦の主人公たちが装置によって昔の感情と相手からの視点(愛情)を思い出して一晩のうちに家の中で毛布をベールに見立てて結婚式までしちゃうシーンは滑稽さもありつつ、装置がもたらす効果が如実に現れててすばらしいシーンだった。
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