櫻イミト

ブレインストームの櫻イミトのレビュー・感想・評価

ブレインストーム(1983年製作の映画)
3.0
「2001年宇宙の旅」(1968)「ブレード・ランナー」(1982)などの特撮担当ダグラス・トランブルが手掛けた2本の監督作の2本目。撮影期間に不慮の事故で亡くなったナタリー・ウッドの遺作。

エヴァンス電子研究所のマイケル(クリストファー・ウォーケン)とリリアンらは、人の体験や記憶を記録しそれを他人が体感できる装置“ブレインスキャン”を開発した。しかし軍部が介入したためマイケルは妻カレン(ナタリー・ウッド)と協力し。。。

1983年の製作で電脳VRのような技術を描いているのは先見的。日常シーンはビスタサイズ、VR画面はシネスコサイズに切り替える演出も大胆で面白い。装置で死後の世界を覗いた曼荼羅映像も興味深い。

なのだが、全体的に間延びした印象で最大の見所である終盤が少々物足りない。調べてみたら、撮影途中でのナタリー・ウッドの不幸により脚本を大きく手直しして完成させたとの事。その際にトランブル監督と映画会社との間に対立が生まれ、監督は映画界から去ることになった。

未来ガジェットの発想や視覚効果は見どころがあり映画史的な価値もあると思われるが、映画作品としては未完成に終わった感が強い残念な一本だった。
櫻イミト

櫻イミト