ツクヨミ

泥酔夢のツクヨミのレビュー・感想・評価

泥酔夢(1934年製作の映画)
4.5
ミュージカルシークエンスのみ監督したバスビーバークレーの美センス炸裂、圧倒的な夢への階層ビジュアル。
"X"(旧Twitter)でちょっと話題になってた本作を見てみた。
まあ本作は全体的に見れば1930年代流行っていたオーソドックスなミュージカル、愛憎絡み合うドタバタラブコメディだ。正直ラストの舞台劇ミュージカルシークエンスが始まるまでわりと退屈なものが映される。
それもスタイルというか"42番街"がウケた翌年の同じくWarner製ミュージカルなのでメイン役者は一緒、ミュージカルシークエンスがバスビーバークレーが監督するというのも一緒。
だがラスト20分ほどの舞台劇ミュージカルシークエンスの編集とビジュアルがヤバすぎる、主演二人の甘酸っぱい歌から女性の顔が写る看板を見るとヒロインのルビーキラーの顔に変わり謎の夢に誘われるスタイルは絶対ヴィンセントミネリが真似してるやり方でびっくり、そこからはあれよあれよという間にバスビーバークレーの夢世界に誘われる。うますぎるマッチカットや後の"8 1/2"ぽいフェリーニらしさ、顔面にズームインしズームアウトすると別シークエンスに移動するカッティングセンスはジュゼッペトルナトーレは絶対真似してるだろ。
センス抜群すぎで圧倒的な夢に誘われる感じはこのシークエンスでしか味わえないだろう。いや瞳から出てくるルビーキラーに一目惚れする美しさ、こんな編集がうまくセンスがやばいミュージカルシークエンスはなかなかお目にかかれない。
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