東京キネマ

ザッツ・エンタテインメントPART3の東京キネマのレビュー・感想・評価

2.0
TSUTAYA・DISCASのイントロダクション曰く、 “三匹目のドジョウとなれば、1と2のクズでというのは素人考えで、更にマニアックになった内容は中途半端な二作目よりむしろ感動的だったりする・・・” なんて提灯かましてくれるもんで、恐らくダメだろうなあ感はしてたのですが、見事な出涸らし三番茶でございました。 ええ、わたしゃ素人ですんで、言わせてもらいますよ~だ。

敢えて言えば “アステア、ジーン・ケリー始め、凄いスターが居たんだぜ~” がPART1で、 “アステア、ジーン・ケリーはやっぱり凄えし、それ以外にも玉は沢山あるでえ~” がPART2。 そして本作では “アステア、ジーン・ケリー「以外」にも、スターは居るんだぜえ~” が成立しないってことを証明しちゃったようなもんで、ほんのちょこっとアステア、ジーン・ケリー、ジュディ・ガーランドの印象的なシーンはあるものの、それ以外は、まあはっきり言えばクズのフッテージだらけ、ミュージカルのアンソロジー映画としての体をなしておりません。

デビー・レイノルズのガニ股短足やジューン・アリスンのガラッパチ声を強調することが 「マニアック」 なのじゃなく、ただサド侯爵して喜んでいるだけじゃん、としか思えませんし、それにも増してですよ、あの体力自慢のジーン・ケリーを車椅子のヨイヨイ姿で世間に晒したりですよ、あるいは、 “実は 『アニーよ銃をとれ』 って最初はベティ・ハットンじゃなくてジュディ・ガーランドだったんだけどさ、頭おかしくなっちゃってさあ・・・” なんてわざわざアウト・オブ・テイクを公開してリファレンスしたりだよ、そんなファンが忘れたいと思っていることをさも自慢話みたいに公開するってのも、あまりにも非道いじゃありませんか。 スターに対する敬意ってものが無さすぎますよ。

つまりね、そういった横暴な感覚というのが経営面でも現れていてですね、戦後何度もMGMは経営危機を迎えた訳ですよ。 (大体何が胸糞悪いって、MGMって戦時高揚映画を熱心に創っていた会社でね、日本人は獣だ、猿だ、のキャンペーンをやってた映画会社だからね。) 本編中にナレーションで 「1946年、テレビが出現する前は、全米で9千万人が週一回映画館に足を運んだ・・・」 ということなんで、計算すると年間全米映画人口は47億人も居たという、たまげる数字をさら~っと言ってましたが (世界の人口の推定値が約25億人の時代ですから、その2倍ですよ!)、それほど豊かな市場を持っていてですよ、そこでボロ儲けしたMGMがですよ、それも 「天の星の数よりも多いスターを擁する」 と自画自賛してた大会社がですよ、どうやったって経営危機なんか迎える筈はないのに、なんと2010年にチャプター11申請で完全におじゃんになりました。 この映画の16年後に、この会社は完全に終わったということです。

だからね、内緒で言いますけど、「ざまあみろ!」でございます。(笑)
東京キネマ

東京キネマ