holly

ジーグフェルド・フォリーズのhollyのレビュー・感想・評価

3.9
フローレンツ・ジーグフェルドが手掛けたショーの数々をMGMスターの皆様が演じているオムニバス作品。
ミュージカルとコントが(ほぼ)交互に続き、ストーリーはありません。
ジーグフェルド(天国にいる設定)は冒頭のみ登場するのですが、「巨星ジーグフェルド」でも同役を演じたウィリアム・パウエルが使われていて嬉しかった◎

コント部分はファニー・ブライスやレッド・スケルトンが出演していますが、現代の感覚からすると正直恐ろしいほどつまらないし長い。(ですので毎回早送り…すみません><)

ただミュージカルの方は殆どが素晴らしい出来だと思います。

特に良かった3つを上げると、まずオープニングナンバー “Here's To The Girls”
シルクハットに燕尾服のアステアが優雅に歌い、ピンク×白×黒の豪華絢爛なセットと美女達が次々と出てきてワクワクが止まりません。
軽やかにバレエを踊るシド・チャリシー、ルシル・ボールやヴァージニア・オブライエンも登場して一曲目から豪華すぎて夢のようです。

続いて "This Heart Of Mine"
こちらもアステアと、彼のダンスパートナーで知られるルシル・ブレマーのダンス。
これはもうエレガントすぎて溜息ものです。言葉では表せないのでぜひ観ていただきたい!

そして有名な "The Babbitt and The Bromide"
ハリウッド黄金期真っ只中にアステアとケリーが共演した幻のナンバーです。
本当に神様2人が踊っているといっても過言ではないほど素晴らしいですし、必見としか言い様がありません。

この他にも、幻想的なE・ウィリアムズの水中バレエ、エキゾチックな雰囲気漂うレナ・ホーンの "Love"、目を一重に吊り上げたアステアとブレマーによるオリエンタルで異色のダンスナンバー "Limehouse Blues"などどれも魅力的。

唯一残念なのは、ジュディ・ガーランドの "Interview"くらいでしょうか。
これは悪い意味で期待を裏切られます。どうしてこうなった?という感じで、細かなコメディ感と終盤の一瞬だけでも盛り上がれるのは流石のジュディですが、勿体ない…

ですが、全体的には貴重なナンバーの目白押しですので、ミュージカル好きなかたにはぜひ外さないで観ていただきたい作品です。
holly

holly