泡沫

芙蓉鎮の泡沫のレビュー・感想・評価

芙蓉鎮(1987年製作の映画)
3.5
中国ではもうみられないとかいう情報はすでに古いっぽいね。
中古DVDが高値ついてると気になっちゃうヘキにより見始めたはいいけど用語や時代背景などが難しく後回しにしてた…。「三体」みて再び興味がわいたため再挑戦(我ながらどうかと思うが)。
「党の上層部」はあまり顔を出すことがなく、李国香や紅衛兵といった割と末端の人々が社会の空気を形作っているように見え、ちょっとずるい気がするがまあ仕方ないのか。これだから共産国は〜みたいなのがもちろん本邦での『統一』見解ですけど、つましい労働者であることを大義名分とした陰湿ないじめは形を変えてどこにでも存在するなあと思わせる。昨日まで威張っていたやつがバッシングされたり強者にへつらってた者がいきなり大きい顔し始めたりするのもね。そういう中逃げ場もなくとにかくじっと耐える胡玉音の愚直さ…ただこういうものだけが過酷すぎる歴史の中で命をつないできたのだろうな。またそれを支える秦書田の、「秦癫子」(字幕ではウスノロ秦)と呼ばれても全く意に介さない根気強い態度は知識人の強さか。谷さんの「あの石畳と竹箒こそがほんとの仲人だ」という不器用な言葉に込められた労りと尊敬が胸を打つ。お腹の大きくなった玉音をこっそり助ける人々は決して強く立派ではないけれど、この最低限の人間性をこういう情勢の中私ならば保ちうるだろうか。あの大きな国を包み込んだ熱狂の中で塗炭の苦しみを味わいながら過ごしていた人々に俄然興味がわいた。以前九州の炭坑労働者の記録を読み漁って、尊敬すべき人私が道標とすべき人は地の底にいたと思ったんだけど、ここにもいたね。
劉暁慶は西太后みたとこだったんでこのイメージの違いさすがだなーと感心したけど、何より若き姜文がめちゃくちゃ良くてビックリしました!あとこんないい映画みてなおヘイトしかしてないレビューとかあってたまげました!みなきゃいいんだけど。Filmarksは通報がメールなのカスだとおもう。
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