TRT421

用心棒のTRT421のレビュー・感想・評価

用心棒(1961年製作の映画)
4.0
黒澤明×三船敏郎特集

何という脚本だ

こんな設定がよく思い付いたなぁ
これはきっと世の中の縮図のはずだ
と思って調べると
この映画公開前の1960年
日本は安保条約改定で揺れていた

国際社会は米ソ冷戦
アメリカとソ連が二大勢力

そんな時代の中、安保の改定は
日本を再び戦争に導くかもしれない
世の中に不満と不安が充満していた

二大勢力があまりにも強大な中
日本はどうあるべきなのか

日本の歴史の中で大きな転換点であった



この映画では
三船敏郎演じる浪人 桑畑三十郎が
この宿場町の用心棒となり
宿場町の二大勢力を手玉に取り
町の庶民を守るために
正しい道を突き進み
バッサバッサと悪人を斬りさばく

冷戦時代の中で
日本がどう立ち振る舞うべきか
混乱している当時としては
どんなに痛快な活劇に映っただろう

そういう目で見てしまえば
冒頭 居酒屋の権爺のセリフは
米ソ冷戦への批判であり
棺桶屋への批判は軍事産業への批判か

銃を持つ卯之助はアメリカそのものか

実にストレートな隠喩である


作品ごとに増す三船敏郎の風格
ギラギラした光を放つ若き仲代達矢
他にも多くの名優達がチョイ役で登場している

この作品に出てくる大男は
ジャイアント馬場か?
と思ったら、
羅生門鋼五郎という別人だった

この多彩なキャラクター性

やはりスターウォーズを
思い起こさずにはいられない

大男はチューバッカ、ダースベイダーの
モチーフになっているだろう

持っている武器の多彩性も然り

桑畑三十郎の
善悪捉え所がないが
憎めないキャラクター
そして金には目が無く
金の交渉はドライ

これは
EP4のハンソロのモデルなのではないか

エンターテイメント性が一段と増してきた

そしてこの作品の時代性が味わい深い

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