今年に入って最初に観た映画。
もう、美しいのなんのって、、(溜息)
この映画を観てると、黒澤監督がいかに役者の「顔」を大切に撮っているか、そして映画の中で「顔」というものが映像自体の表情を司るものであるということがとてもよく伝わる。
そこに来ると、三船敏郎がひときわ輝くオーラを放ち、彼が大変美しい男優でこの作品の顔そのものであるというのが明らかになる。そしてその周りにアクの強いジジイの顔をした東野英治郎をうろつかせるところ、ここがこの監督特有のブラックユーモアなのだと感じる。そこはいつも笑いの渦に巻き込まれる仕掛けになっていて、このふたりの結びつきが実はこの物語の要とも言える部分であることに後に気付かされる。
光と闇の世界のモノクロ映像がまるで黒いダイヤモンドのように美しく、それをこの上なく贅沢なもののように映し出す____
黒澤明という天才にまた惚れ込んでしまった。
今年はもっと、黒澤映画を観ようと心に決めるのであった。