完全にエンタテイメントに徹した作品。そもそも、一浪人がなぜ命を張って宿場町の抗争を収めたり、妾を救ったりしようと思ったのかというような細かいところはお構いなしに、勢いでストーリーは進行していく。
三船敏郎、仲代達矢、山田五十鈴といった主要人物のキャラが立っていて、とにかく楽しむことに特化し、テンポよく転換していく脚本が凄い。
また、人を切るときの音とか、血しぶきの描写などの斬新で革新的なアイデアも取り入れつつ、名カメラマン宮川一夫の撮影技術による名場面のオンパレードにも唸らされる。
世界の多くの映画監督が本作を名作と崇めているのも納得の娯楽大作。理屈なしに楽しむのが正解だろう。
まぁ、この時代の日本映画のセリフの聴き取りづらさはあって、2,3割は聞き取れない感じなのだが、それでも面白さは損なわれない。