八州雄会

用心棒の八州雄会のレビュー・感想・評価

用心棒(1961年製作の映画)
5.0
ヤクザ一家の跡目を巡った内部抗争の激化から荒廃した宿場町に現れた凄腕の浪人の活躍を描く1961年の黒澤明監督モノクロ作品


ネタバレになるかもですが・・・


博徒の親分が身内可愛さに息子に跡目を譲ろうとして、それに反発した一の子分が盃叩き返して抗争勃発。それぞれが、町の豪商をスポンサーにして凶状持や無頼漢を助っ人に集めて睨み合ってまいます。

この時代に拳銃などとかの「時代考証や現実性などを無視した娯楽作品」と監督が明言しているだけあって、痛快で面白かったです。60年以上も前の作品とは思えません。

家と妻を借金のカタに取られた親子を助けたばかりに不利になりますが、その時、用心棒代の前金でもらった30両をポンとくれてやる所を見ると、町の揉め事に首を突っ込むのは金目当てでは無さそうです。

この映画と「椿三十郎」のイメージやストーリーが錯誤しますが、椿はこの映画の続編だったとは。主人公の凄腕の浪人も同一人物かもしれません。