黒澤作品はこれで何作目かな…
14作目か…まあまあ観てきたな。
こんなに没頭というか、トントン観ることになるとは思わなかったなあ。
ある宿場町にひょっこり現れたひとりの男。サムライである。やっぱり三船敏郎は格好良いな。その流れ者の三十郎(三船敏郎)の剣の腕は超一流だ。
この町、殺伐としていて、宿場町としての体を成していない。主にふたつの勢力に分かれて、賭博の横行、暴力沙汰、諍いに殺し合いが起きている。
そんな中、ふらっと町にやってきて、チャチャっと3人ほど切り付けて腕前を見せる。
すると、どうだろう
ふたつの勢力のボスから「うちの用心棒に」と懇願される。しかし、元々ヤクザの組織、やり口が汚い。
果たして、三十郎はどっちの用心棒になるのか…その駆け引きがおもしろい。不公平にならないような慎重さに、三十郎の人間性と真面目さが窺える。
ふたつの組織の対決シーンや最後のシーンなど、目と耳で感じる「風」の演出、土埃、炎、黒煙の演出はモノクロであるにもかかわらず、その迫力は見応え十分だ。
中盤を過ぎた辺りの展開には、いい意味で意表を突かれた。順風満帆に用心棒稼業を全うし、飄々と、軽々と仕事をこなすのだと思っていたから。
半殺しの目に遭った顔…すごい。特殊メイクも完璧。鼻や目の腫れ具合。リアルさをとことん追求している。腫れすぎて、まんまるになっちゃって、一瞬、勝新に見えたくらい。
仲代達矢が演じる拳銃使いの卯之助も良かったけれど、個人的には加東大介のキャラが好きだったな。
極太の眉毛が引っ付いて、ちょっとアホっぽいお調子者。結構、知的な人物を演じることが多いようなイメージの彼が、そういった男を演じるなんて!悪い奴なのだけど、妙に気になる、目で追っちゃうキャラを嬉々として演じていた。
おもしろかった。
また観たい。