語られに語られてきた黒澤映画を見直し。
群馬県のある宿場町で二つのヤクザ集団が跡目争いをする江戸時代末期。その均衡を打ち破るかのように流しの剣豪三船敏郎が現れる。
だれてしまいそうな場面でも緊張を絶えさせない工夫が何度もなされ、人が画面いっぱいに動き、走り、にじり寄り、泣き叫び、時に憤怒に燃える。
画面が人でよく動くが、三船がドンと真ん中に座ってることでの構図のバランスの良さよ!
この映画のにじり寄りながら歩くのが好きでたまらない。
そんな中で使われている音楽は時代劇には珍しいマンボである。
人物ごとに音楽があてがわれ、登場とともに、ジャーンと流れる。
こうした二つのヤクザの抗争を描きながら
そこでさらに現れる最新の拳銃と主人公のライバルキレ者の 卯之助
互いが互いの筋書き通り進めていこうと争う様は探偵刑事物の感もある。
映画としての娯楽としての面白さがいつもながら大洪水していて、大興奮した。
音楽と編集が少々くどいが、演出、画角はどれもかっこいい。
そしてラストシーンの砂埃のかっこよさよ!!
荒野の用心棒にも引用された砂埃。
男が戦う映画には砂埃がつきものだ。
それには一番三船敏郎が似合う。
御都合主義はない。
自然にそうなるべくしてストーリーが展開していく。
だが、彼らの復讐、憎しみ、争いの果てにあったのは皆殺しという無だった。
アメリカンニューシネマの影響だろうか?
戦争世代の娯楽はやはり一味違う。