筋は至ってシンプルですが、ちょっとした伏線もしっかり回収されるし、一人一人の人物の心情が丁寧に描かれた良作でした。(ちょっと終わり方が綺麗すぎるけど…)
息子を失った喪失感と責任感を抱える母、家族そのものを守っていきたい父、弟の手を離してしまった罪悪感を抱え両親からの愛に飢えた兄、急なことに状況を掴めず戸惑いながらも微かな記憶のなかで兄を慕う弟。そして、誰が何と言おうとずっと妻と息子を愛していたもう一人の父。これらの人物全員に感情移入できてしまうから、苦しくなります。
特に母は、最初は息子への喪失感がものすごいけど、息子に再会してからは、徐々に気持ちが変化していき、母としてたくましくなっていくところがみどころです。
兄弟の絆が泣ける。最後、弟くんがお兄ちゃんに面会で言うセリフで苦しかった気持ちが救われます( ; _ ; )
