サム・ペキンパー監督作。
アメリカの歌手：C・W・マッコールが1975年に発表した人気ノベルティソング「コンボイ」の歌詞からストーリーを得て、バイオレンス映画の巨匠：サム・ペキンパーが映画化した異色のカーアクション映画です。同楽曲は本作の主題歌にも採用されていて、エンドロールで全歌詞を聴くことができます。
18輪大型トラックのベテラン運転手：ラバー・ダック率いる寄せ集めのトラック軍団“コンボイ”と彼の逮捕に執念を燃やす悪徳保安官との宿命の対決のゆくえを描いた“トラック野郎ムービー”で、アリゾナ→ニューメキシコ→テキサス…と米南部諸州をノンストップで爆走するトラック軍団と次第に拡大する警察包囲網との熾烈な追いかけっこ＆大激突が迫力満点のカーアクションで活写されます。
反骨精神溢れるトラック野郎たちの漢気漲る一直線な生き様をパワフルに描いて、『バニシング・ポイント』(1971)等のアメリカンニューシネマの薫りにも満たされる超重量級トラックムービーで、スローモーションを駆使したダイナミックなカークラッシュの数々にペキンパーの演出手腕が発揮されていますし、長い一本道を多数のトラックが列を成して走行するアメリカ的光景が壮観であります。
蛇足)
悪徳保安官に扮したアーネスト・ボーグナインの執念の立ち回りに、ロバート・アルドリッチの名作『北国の帝王』(1973)におけるボーグナインの役柄を連想しました。
