まさかこんな展開になるとはの見せ方が非常に上手い。
ファーストシーンから名作の予感。
悪徳警官に目をつけられ穏便に事をやり過ごそうとしていたら大事に巻き込まれていくロードムービー。
トラックの一団をコンボイと称するのでトラック一台の名称ではない。
初めはぬるめの乱闘シーンやカーチェイスでのほほんとしたエスケープモノかと思ったら仲間が増えていくに従い警察の度を越した取締りによる過度の罰金による貧困や速度制限による運送のやりづらさなどの社会問題が浮き彫りに。
ついには州警察や武装した軍隊と対峙したりスケールが大きくなる。
主人公はあまり頭のキレる感じではないが信念がありカリスマがある魅力的な男。
ウェイトレスや道で出会った女とデキて何股もしてるのに恨まれない類稀な性格。
仲間になるトラックドライバーもみんなイイヤツで憎めないキャラクター。
その逆に政治家や警察をとことん間抜けに卑怯に描いてる。
シビアな展開と楽観的な部分が上手いバランスが絶妙な味わい。
ラストの橋の上でトレーラー爆破はミニチュアかと思ったらちゃんと爆発させてて凄かった。
アメリカンニューシネマと陰鬱とした部分からの脱却のような陽気な作品。
ペキンパーのワイルドパンチや戦争のはらわたとはまた違う魅力的な作品。
時折り入る歌が印象的でカッコいい。
トラックドライバーの皆さん渋くていい声。
携帯電話網が無い時代、おそらくハイパワー無線でやり取りしてて交通取締りや交通事故などの情報交換して一大ネットワークを築き上げていたトラックドライバー達。
本作の影響なのか不明だが日本でも「トラック野郎」が人気シリーズとして公開されていた。