デイジーベル

ゾディアックのデイジーベルのレビュー・感想・評価

ゾディアック(2006年製作の映画)
4.1
初見時の感想はノンフィクションという事もあり、不完全燃焼でもあり、重く長く感じた。(端的に言えば、フィンチャー作品の中でもそれ程の面白さを感じられなかった)「セブン」を期待すると肩透かしを感じるかも知れない。


前半のサスペンスであり、ミステリーに騙されてはいけない。
(充分それは面白いのだが)
これは、難解事件に″取り憑かれた″男達の″純粋な人間ドラマ″だったのだ。
人生を注ぎ込む程(もはや偏執や狂気)の、この事件の魅力(魔力や引力とも言えるだろう)。

圧倒的に完成されたドキュメンタリー(作品として)でもあり、ある意味ヒューマンドラマでもある本作。鑑賞後は、本当の意味で″映画を観た″という感覚に浸れる。(個人的には「市民ケーン」などの作品鑑賞後の感覚と同じだ)


ひょっとしたら最大の魅力は、この「事件」そのものだと言えるのかも知れない。