【踊り食い、巨大盛りで】
U-NEXTにて。コレ子供のころ“●●が人を襲う映画”流行りだった時、劇場で見ちゃったやつ。
売りの“トレンブルサウンド”はどこがトレンブるんだか謎でしたが、子供心には、ジョーズパクリのやっすい“捕食”シーンが、当時は衝撃でした。だから体験としては、よき思い出。
改めて見直すと明快に、このアメリカ偽装したイタリア映画は、要はロジャー・コーマン製B級モンスター映画に毛の生えたやつ、ですね。
が、エクスプロイテーション映画として絞った作劇は、いっそ心地よい。デカダコは人喰いシズルを出せれば上等。それの出現理由など誰も聞かないからテキトでオッケ。残るはおっぱいだろうが、一般客搾取のため、エロはビキニ絞りで。その分?ハリウッドスターの名前を餌にした。…中古の餌ばかりだが。
哀しきは、デカダコなのに、撮影には実物タコをご使用のこと。巨大ハリボテが撮影途中で、タコなのに海へと流されちゃったんだって!…凧か!
ジョーズの人口鮫ブルースくんが、水に入れたら動かず沈むだけ…だったことより、より泣ける話です。スチールでは残っているハリボテ、子供心にはコワくて惹かれるものがあったのに。
このトラブルのせいだけじゃなかろうが、タコのサイズ感が場面によりマチマチで、笑えて愉しいがそんなんもイタリアンだよね。インド版ジョーズ『Aatank』なみにテキトー…って、例えになってないか。
しっかし、撮影に使われたタコさんは可哀想だよなあ…。どうやら、ホントになぶり殺しでしょ?イタリア人じゃあの後、スシにしたとも思えないし。生ゴミの日に捨てられたのかなあ?
人物では、正義を貫く役のジョン・ヒューストンと、ヒーロー役のボー・ブリッジスが、共に悪人ヅラなのが愉しい。愉しいってだけだけど。逆に、デリア・ボッカルドの美しさは際立っているね。それだけだけど。現代ならテンタクル・ポルノ…“触手エロス”をもっと、一般客搾取でも匂わせるでしょうに。
一点だけ、絶賛すべきは、生頼範義先生が描くリアルなポスター!これは文句なく素晴らしい!あの名画を生んだという意味では、この映画にも存在価値があったのだとおもいます。
<2024.4.2記>