けーはち

ザ・ファーム/法律事務所のけーはちのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ファーム/法律事務所(1993年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

就職先がマフィアのお抱え法律事務所だった若き弁護士トムクル。マフィアとFBIに板挟みにされて大変な目に。ジョン・グリシャムのリーガル・サスペンスを社会派の名匠シドニー・ポラックが映画化。貧困から成り上がって懲役中の兄を庇いながらエリート街道をゆく眩しいばかりの青年トムクルが追い込まれる所までは良く、この後の転落からの逆転劇のようなものを期待すると思うのだけど、よもやこうも中途半端でスッキリしない話になろうとは。というのも、トムクルのアイドルイメージを損なう訳に行かなかったのか、原作では殺し屋やFBIから妻や兄と逃げ回りながら会社の金を横領して高飛びする主人公が、映画では兄は逃がすものの事務所の大量の水増し請求だけを暴露してマフィアにはお咎めなし、田舎に帰って出直すような話になっている(Wikipedia英語版参照)。うまくイジってあって大きく破綻はしていないと思うのだが、どうも小さく纏め過ぎた感はある。罰金1万ドルの詐欺罪を250件やったから合計罰金250万ドルだドン!……とは行かないと思うが。しかし93年の全米興収『ジュラシックパーク』『ミセスダウト』『逃亡者』『シンドラーのリスト』という大衆娯楽快作&渋い傑作に次いで5位と大健闘の本作。やっぱり人間、勢いが大事なんですねぇ。