ドラミネーター

ザ・ファーム/法律事務所のドラミネーターのレビュー・感想・評価

ザ・ファーム/法律事務所(1993年製作の映画)
3.5
ジョン・グリシャムの映画(化)作品を順に観ていこうという思い、本作を鑑賞。

トム・クルーズのアクションも、サスペンス(事件の内容や主人公の巻き込まれ方)も、一貫して「現実レベル」で描き切っている。「こんなんあり得へんやろ」と馬鹿にできる瞬間がない。
「どんなアクションが好きか」「どんなハラハラドキドキがしたいか」それは三者三様の好みがあるだろうが、やはり一貫した世界観(レベル)の中で一つの物語を描き切るものは面白い。
頭脳をもってして見事に決着をつけた。「全てよし」のラストではないが、「これでよし」であり、これこそが本作の(現実的な)世界観なのである。

トム・クルーズはやっぱりイケメンやし演技が上手い。

劇中の音楽は、その内容(主人公とその妻が知覚した些細な違和感)と絶妙に不協和であり、こちらに直感的な不気味さや不快感をもたらす。

トビン・ベル演じる殺し屋のようなキャラクターも魅力的だった。
キチガイなサイコパスではなく、至極冷徹で、且つ洗練された実力、肝っ玉の持ち主である。雰囲気が「男」ではなく「漢」やな。その道の輩ではなく、プロフェッショナルである。