ピュンピュン丸

ザ・ファーム/法律事務所のピュンピュン丸のレビュー・感想・評価

ザ・ファーム/法律事務所(1993年製作の映画)
4.1
ジョン・グリシャムの同名小説を映画化。主演が若きトム・クルーズで、助演がジーン・ハックマン。最初の方は、ジーン・ハックマン(悪徳弁護士アビー)の方が存在感あるが、最後のクライマックスになるにつれ、トム・クルーズ(新米弁護士ミッチ)が一気に盛り返す。『裏切りのサーカス』と同時並行的に見ていて、「こっちの方がわかりやすくていいな」なんて見ているうちに、こっちもわからなくなってしまった。無念 ^_^; 特に、ミッチがFBIと自分の法律事務所を出し抜く方法を思いついてからの展開が早くて、ついていけなかった。

実は、初見は映画館。その時もあまり印象に残ってなく、追い詰められたトム・クルーズが、部屋のガラス窓をジャッキー・チェンばりの身体能力でガンガン蹴り飛ばしているシーンだけが印象に残っていた。

けれど、今回は2回繰り返してみた結果、とても面白かった。

『裏切りのサーカス』に引き続き、自分の鑑賞能力の低さにも愕然とさせられた映画だが、これはこれで「いい映画」の「一つのジャンル」として捉えたい。(^。^) 

つまり「ネタバレしてからの方が面白い映画」。(笑)

なので、あえて言うと、「弁護士との面談時間の水増請求の不正を摘発することが、何故すべてを打開する妙案と成り得るのか・・・」をゆっくり頭を整理し、理解してから見ると、面白いのだ。

映画は、トム・クルーズ版のヒッチコック的な「巻き込まれもの」。もっと前の時代なら、ジェームズ・スチュアートがやる映画だな。トム演じるミッチはやたら弁護士の倫理規定に忠実だし(笑)。

『トップ・ガン』で一躍スターダムにのし上がったトム・クルーズは、その後やたらと、共演者と作品に恵まれている。羨ましい限り。
「ハスラー2」で、ポール・ニューマンと。
「レインマン」で、ダスティン・ホフマンと。
そして、本作では、ジーン・ハックマンと。
でも、未だに自分的にはトムの演技が何かを突き抜けたという印象を持ったことがない。このころも今も。そんなに成長してないような。プロデューサーとしても結構ビッグネームの映画撮るけど、何か物足りない感じがしてしまう。イケメンなのに、演技ができて、プロデューサーもこなせて、何より人柄もいい・・・という印象。常に可もなし、不可もなしだ。

そういうトム・クルーズの映画の中では、作品としても演技も本人に似合っていて、良かった部類だと思う。

意外に良作です。(^-^)